夏の焼ける日差しの下、一人の男が道を行く

ルイーナ衛星都市
アルデバラン衛星都市にして「砦」が存在する都市のひとつ
週に一度の攻城戦が行われる時間帯以外は街中で人を見かけることも少なく、都市を巡る水路の音や木の葉のかすれる音が耳に心地よい都市



男は都市の入り口、ギルドフラッグの立ち並ぶ所で立ち止まり、そのうちの一本に手をのばした
そっと触れる、見慣れたエンブレムの浮かぶフラッグは、それでも何の反応も返さなくて
つい先日まで自分の名前が刻まれていたその場所には、男に背を預け、狩りの時も攻城戦の時でも、いつも道を拓いてくれた信頼し尊敬する戦友の名前が新しく刻まれている
面倒事を押し付けるような形になってしまったその戦友の名が、フラッグに刻まれるものとしては男の名前よりも威厳があるように見えて、知らず頬が緩む
今まで一緒にやってきた彼ならば、ギルドの名声や実績、他ギルドとの水面下の争いに潰れることもなくやっていけるだろう
そう信じて、いつでも帰ってこいと笑って送り出してくれた戦友達を信じて、エンブレムをそっと撫でた腕を名残惜しげに引き、男は踵を返し立ち去った
背筋を伸ばし正面を見据え、振り返ることなく





なんで今更また冒険かって?

高い城壁に守られた絢爛たる自分の住居
尽きることのない宝箱
従順で屈強なガーディアン

それも悪くないんだけどね。

ギルドの雑務に追われ、砦から砦へと歩きまわる日々。
ふと立ち止まった道端で見えた空が、ノービスだった頃、巧く魔法を発動させることが出来ないマジシャンだった頃、皆で横たわって、それでも笑いながら見上げた空と同じだったから。
ただそれだけのことさ。




別にWizである必要はどこにもないんですが、移住してからWizのギルマスばっかり見てるので何となく。