ゆるやかに浮上する意識。
開ききらない目を向けた窓からはきつい日差しが差し込んでいた。

覚醒しない身体を起こし、のろのろと法衣に着替える。
階下に降りると開け放たれた扉から入り込む、涼しい風と熱気、少しの喧騒。

一歩外へ足を踏み出すと、一転して照り付ける日差しと熱気を全身で感じる。

手をかざし見上げた空の真上に太陽。

白く輝くそれを背に、寂れた門を抜けゆっくりと歩む。

行く先はあのオアシス。

いくつかの砂丘をこえ、見えたのはあのオアシスと木陰で休む君。

声が届くまで近付いても起きないのは冒険者失格だと思い、ふと、殺気のない慣れた気配だと安心されているのかと思い上がってみる。
もしそうならどれほど嬉しいことか。

君の前に立ち、日差しを遮り呼びかける。
大切な大切な君の名前をそっと。

ゆっくりと開かれた、照準の定まっていない君の紅い瞳に映るのは、汗まみれで微笑う俺。




「おはよう。」